知財高裁(平成31年3月13日)“豆乳発酵飲料事件”は、「被告は、原告の主位的主張につき、審判段階で審理の対象とされたものではなく本件審決の違法事由として主張できない旨主張する。特許無効審判の審決に対する取消訴訟においては、審判で審理判断されなかった公知事実を主張することは許されないが(最高裁昭和・・・・51年3月10日大法廷判決・・・・)、審判において審理判断された公知事実に関する限り、審判の対象とされた発明との一致点・相違点について審決と異なる主張をすることは、それだけで直ちに審判で審理判断された公知事実との対比の枠を超えるということはできないから、取消訴訟においてこれらを主張することが許されないとすることはできない。本件特許の特許権者である原告は、もとより審判で審理判断されなかった公知事実を無効原因として主張するものではなく、審判において審理判断された公知事実と審判の対象とされた発明との相違点について本件審決と異なる主張をするにすぎないものであって、これを許されないものとすべき事情はない。したがって、この点に関する被告の主張は採用できない」と述べている。 |