大阪地裁(平成31年3月5日)“薬剤分包用ロールペーパ事件”は、「被告らは、本件明細書【0008】〜【0011】につき、原出願明細書(サイト注:原出願の願書に最初に添付した明細書)にはない記載が加筆されていると主張する。しかし、これらの段落は、薬剤分包装置に用いられるロールペーパに関する背景技術についての記述であり、薬剤分包用ロールペーパの発明である本件発明を分割出願するに当たり加筆された部分であるところ、シート張力調整方法の発明である原出願明細書に接した当業者であれば、当然に理解可能であり、原出願明細書の記載から自明な事項といえるから、被告らの主張は採用できない」、「被告らは、原出願明細書にはない作用効果の記載が、本件明細書【0015】において加筆されていると主張するが、同段落及び同【0014】に記載された、ブレーキ力のランク切替えを巻量に応じて行うことにより、ブレーキ力の各ランクが急激に上下するような不都合を防ぐという作用効果は、原出願明細書【0005】、【0017】からも読み取ることができ、原出願明細書に明示的に記載された事項といえるから、被告らの主張は採用できない」、「分割要件違反をいう被告らの主張はいずれも採用することができない」と述べている。 |