知財高裁(令和元年10月24日)“ゲームプログラム事件”は、「甲4は、インターネットアーカイブのウェイバックマシンによって保存されていたウェブページを・・・・平成29年9月1日・・・・に検索して作成したコピーである」、「ウェイバックマシンでコンテンツを検索した場合に表示されるURL・・・・の・・・・数字部分・・・・は、当該コンテンツが収集された日時(保存日時)を示すことが認められる」、「甲4のURL・・・・の記載から、ウェイバックマシンが、・・・・2013年(平成25年)4月27日10時37分28秒(協定世界時)(日本標準時同日19時37分28秒)に・・・・ウェブページを収集し、保存したことが認められる。したがって、甲4は、本件出願前(出願日平成25年9月27日)の平成25年(2013年)4月27日、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものと認められる」、「原告は、・・・・A仮にインターネットアーカイブのURLが保存日時を示すとしても、インターネットアーカイブに画像のURLのみが保存される場合には、当該URLは、外部に存在するデータにリンクし、リンク先の外部のデータがアーカイブ上に表示され、リンク先の外部のデータが変更されれば、アーカイブ上に表示される画像も変更されることになるので、インターネットアーカイブ上の画像は当該保存日時の後に容易に差し替えられた可能性がある、Bインターネットアーカイブの利用規約には、記録内容の正確性について保証しないことが記載されており・・・・、また、ウェイバックマシンに記録された過去のキャプチャ内容を改変することは容易であり、特殊なハッキング技術を用いなくとも様々な方法で改変が可能であること・・・・に照らすと、ウェイバックマシンを利用して作成された甲4の信用性は否定されるべきであるとして、甲4は、本件出願前の平成25年(2013年)4月27日、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものとはいえない旨主張する」、「上記A及びBの点については、一般論として、ウェイバックマシンに表示された保存日時の記録の内容が改変されることがあり得るとしても、・・・・甲4の記載事項については、保存日時である『2013年(平成25年)4月27日10時37分28秒(協定世界時)(日本標準時同日19時37分28秒)』に掲載されていた内容が改変されたことを疑わせる具体的な事情は認められない。したがって、原告の上記主張は理由がない」と述べている。 |