東京地裁(令和元年10月24日)“選挙得票率予測装置事件”は、「主位的請求の趣旨第4項に係る訴え及び予備的請求の趣旨第5項に係る訴えは、原告が本件特許出願の審査請求をしたにもかかわらず、特許庁長官が審査官に対して本件特許出願の実体審査をさせないことから、その義務付けを求める申請不作為型の義務付けの訴えと解されるところ、この訴えが適法であるためには、特許庁長官が審査官に特許出願の審査をさせることが『処分又は裁決』に該当する必要がある(なお、主位的請求の趣旨第4項及び予備的請求の趣旨第5項には、特許庁長官が審査官に実体審査をさせ、拒絶の理由を発見できないときは特許査定をしてその送達をすることとの旨の記載があるが、同記載内容に照らすと、原告は、上記のとおり、特許庁長官が審査官に対して本件特許出願の実体審査をさせることを求めているものと解される。)。しかし、特許庁長官が審査官に特許出願の審査(特許法47条)を開始させることは、事柄の性質上、特許出願人その他国民の権利義務に直接影響を及ぼすとはいえないものであって、上記は直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定するものではなく、『処分』には該当しないというほかない。また、特許庁長官が審査官に特許出願の審査を開始させることが『裁決』に該当しないことは明らかである。したがって、主位的請求の趣旨第4項に係る訴え及び予備的請求の趣旨第5項に係る訴えはいずれも不適法である」と述べている。 |