知財高裁(令和元年6)“二酸化炭素含有粘性組成物事件本件発明1−1及び本件発明2−1の特許請求の範囲及び本件各明細書の記載によれば、両発明の課題は、水虫、アトピー性皮膚炎などの皮膚粘膜疾患又は皮膚粘膜障害に伴うかゆみ並びに褥瘡、美肌及び部分肥満に有効な製剤を提供することにあるといえる。そして、・・・・本件各特許の出願日当時の技術常識及び本件各明細書の記載から、当業者は、本件発明1−1及び本件発明2−1について、炭酸塩と酸を含水粘性組成物中で反応させて二酸化炭素を発生させ、得られた二酸化炭素含有粘性組成物に二酸化炭素を気泡状で保持させ、皮膚粘膜又は損傷皮膚組織や皮膚に適用して二酸化炭素を持続的に皮下組織等に供給することにより、水虫、アトピー性皮膚炎、褥創等の治療、予防又は改善や、美肌、部分肥満改善等に効果をもたらすものであることが理解でき、本件各明細書にはその具体的な実施の形態と試験例の記載もある。これによれば、本件発明1−1及び本件発明2−1は、発明の詳細な説明に記載された発明であり、当業者が発明の詳細な説明の記載及び本件出願日当時の技術常識に照らし、上記発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるから、サポート要件に適合するということができる」と述べている。

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