知財高裁(令和元年7)“エンジン事件本件補正後明細書・・・・の『テコ作用は、タービンの内径半径に羽根の長さの約半分をプラスした数値で計算する』との記載及び・・・・『私の発明したエンジンはタービンの半径3.mに羽根の長さ1.÷2を合計した4.mがテコ作用になりますとの記載からすると、本件補正発明におけるテコ作用は、タービンにおいて働くものであると認められるが、上記のようにタービンに用いられているテコ作用について、その意味や技術的な内容が・・・・当初明細書等から読み取れるということはない。そして、出願当時の当業者にとって、エンジンやタービンにおいて何らかのテコテコ作用なるものが備わっていることが自明であると認めるに足りる証拠もない」、「したがって、本件補正2により・・・・追加されたテコ作用は、当初明細書等に記載されておらず、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるということはできない」、「本件補正2のうちテコ作用に関する記載の追加は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない」と述べている。

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