大阪地裁(令和元年9月19日)“基礎パッキン用スペーサ事件”は、「本件第2及び第3特許がいずれも持分2分の1の割合による原告とミサワホームの共有であることは当事者間に争いはなく、また、弁論の全趣旨によれば、ミサワホームが自社施工工事分を除きこれらの特許を実施していないことが認められる。そして、原告及び被告いずれも、特許法102条3項に基づき損害額を算定する場合の本件第2及び第3特許の相当実施料率を4%程度とし、これを不合理ないし不相当と見るべき事情もないことから、相当実施料率は4%と認められるところ、相当実施料率を乗じる対象となる売上額を消費税込の金額とすべき証拠はない。そうすると、・・・・1463万7125円(サイト注:売上額7億3185万6254円(税抜)×4%×1/2)をもってミサワホーム(なお、同社が本件第2特許の持分を取得する以前の損害賠償請求権を持分譲渡人が有しているのであれば、その譲渡人を含む。)の損害額と認めるのが相当である。そして、侵害された特許権が共有であったことにより侵害者の賠償すべき損害額が単独保有の場合に比較して増額されるいわれはないことなどから、原告との関係においては、更にこの限度で、特許法102条2項による推定が覆滅されるとするのが相当である」と述べている。 |