東京地裁(令和2年1月22日)“化粧料用容器の中枠事件”は、「原告らは、本件追納期間の徒過は、本件年金管理事務を受任していたA弁理士が、本件無効審判に係る手続のみならず、本件年金管理事務についても委任を解除されたと誤認したという人為的なミスに起因するものであると主張する」、「仮に、原告中井紙器が本件特許の年金管理業務はA弁理士に引き続き委任していたものと誤信し、あるいは、原告中井紙器により解除された委任事務の中に本件特許に係る年金管理事務が含まれていなかったとしても、・・・・自らの特許権に関する管理を行うのは特許権者の基本的な業務であり、しかも、A弁理士に対しては、特許無効審判に係る手続の代理の委任を解除しているのであるから、同原告としては、同弁理士からの納付期限の連絡を漫然と待つのではなく、自ら調査・確認し、又は同弁理士に自ら連絡をするなどして、特許料等の納付期限の管理を行うべきことは当然であり、それが困難であったとも考えられない。したがって、原告中井紙器がA弁理士に本件年金管理事務を委任したことをもって必要な注意を尽くしたなどということはできないのであり、同原告が特許権者として相当の措置を講じたということはできない」、「原告らが、特許権者として、相当な注意を尽くしていたにもかかわらず、客観的にみて追納期間内に特許料等を納付することができなかったものとは認められないので、本件却下処分が違法なものということはできない」と述べている。 |