知財高裁(令和2年)“美容器事件原告は、本件発明のハンドルは、上下又は左右に分割したハンドルが除外されていないものとして認定されなければならないと主張する」、「しかし、・・・・本件明細書の記載によると、本件発明は、棒状のハンドル本体に表面から内方に窪んだ凹部を形成し、該凹部をハンドルカバーによって覆うことで、ハンドルを上下又は左右に分割した場合に比べて、ハンドルの成形精度や強度を高く維持することができるとともに、ハンドルの内部を容易に密閉できるようにし、組立て作業性を向上させた発明であると認められ、本件特許の特許請求の範囲の記載もそのようなものとして理解すべきであるから、本件発明を、ハンドルが上下又は左右に分割された構成を含むものと認めることはできない」、「この点について、原告は、特許発明の要旨認定は、当該特許の特許請求の範囲の記載のみによって行うべきである旨主張する。発明の要旨認定は、特許請求の範囲の記載に基づいて認定されるべきである(最判平成3年3月8日・・・判決・・・参照)が、その技術内容を理解するためには、発明の詳細な説明や図面を参酌することができるのであって、そのようにして理解した技術内容をもとに、特許請求の範囲の記載に基づいて発明の要旨を認定すべきである。本件においては、上記のとおり本件発明の要旨を認定することができるのであって、これに反する原告の主張は、採用することができない」と述べている。

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