東京地裁(令和2年12月1日)“ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造事件”は、「特許発明が侵害品の部分のみに実施されている場合においても、推定覆滅の事情として考慮することができるが、特許発明が侵害品の部分のみに実施されていることから直ちに上記推定の覆滅が認められるのではなく、特許発明が実施されている部分の侵害品中の位置付け、当該特許発明の顧客誘引力等の事情を総合的に考慮してこれを決するのが相当である」、「被告各製品にクラッチ部分が含まれていることを理由として直ちに大きな推定覆滅が認められることにはならないが、本件訂正発明の作用効果に対する顧客誘引力等は限定的なものであって、被告各製品は、本件訂正発明以外の特徴等にも着目されて購入された部分が大きいと認められる。これらの事情を総合的に考慮すれば、本件においては、特許法102条2項による推定が、5割の限度で覆滅されるというのが相当である」と述べている。 |