知財高裁(令和2年2月19日)“表示装置事件”は、「原告は、甲1発明と甲2等技術は、プログラミングという技術分野に属するとともに、動画と文字情報とを配信するという技術分野に属することで共通するため、甲1発明に甲2等技術を適用する動機付けがあると主張する」、「甲1発明は、ライブ配信サーバとライブ閲覧者端末とが通信ネットワークを介して接続されて構成されるライブ配信システムに関する発明であるのに対して、甲2及び3に記載された技術事項は、テレビの文字放送の受信機の技術であるから、両者は、その前提となるシステムが異なる。また、甲1発明と甲2及び3に記載された技術事項とは、文字を表示する点では共通するものの、表示される文字は、甲1発明では、ライブ閲覧者が入力するチャット文であるのに対し、甲2及び3に記載された技術事項は、メインのテレビ放送の映像に含まれる文字と文字放送の文字であるから、対象とする文字が異なる。したがって、甲1発明と甲2及び3に記載された技術とは、技術が大きく異なるといえるのであり、プログラミングに関するものであることや動画と文字情報を配信するものであるということ、文字と文字の重なり合いが生じないようにする技術であることだけでは、甲1発明に甲2及び3に記載された技術を適用する動機付けがあると認めることはできないから甲1発明に甲2及び3に記載された技術を適用して本件特許発明1を容易に発明することができたとはいえない」と述べている。 |