知財高裁(令和2年5月27日)“液体を微粒子に噴射するノズル事件”は、「本件噴霧乾燥機(2)の販売は、本件発明4及び6の実施に、本件噴霧乾燥機(3)ないし(5)の販売は、本件発明4の実施にそれぞれ該当する・・・・。そして、被控訴人は、本件発明4及び6の上記実施についての実施料を支払っていないから、被控訴人は、本件噴霧乾燥機(2)ないし(5)を販売したことにより、その実施相当額の利得をし、これにより控訴人は同額の損失を被ったものと認められる。そこで、実施料相当額について検討するに、@実施料率(第5版)・・・・には、一般産業用機械の技術分野において、『平成4年度〜平成10年度』の実施料率の平均は、イニシャル有りで4.4%、イニシャル無しで4.2%であり、最も契約件数が多いのは5%である旨の記載があること、A平成21年度特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書・・・・には、アンケートの結果、技術分類のうち『分離・混合』の製品分野においては、ロイヤルティ料率の平均値が3.2%(最大値9.5、最小値1.5)である旨の記載があること、Bノズルは本件噴霧乾燥機(2)ないし(5)の一部品であること、C噴霧乾燥機における微粒化装置(ノズル)の技術的位置付け並びに本件発明4及び6の技術的意義・・・・など本件訴訟に現れた諸事情を総合考慮すると、本件発明4及び6の実施料率は、噴霧乾燥機全体の売上高の2%と認めるのが相当である」、「そうすると、被告が返還すべき利得額は、本件噴霧乾燥機(2)ないし(5)の売上高合計●●●●●●●●●円・・・・に実施料率2%を乗じた●●●●●●●●円となる」と述べている。 |