東京地裁(令和2年)“ドットパターン事件当初明細書1及び2には、いずれも、本件補正1及び2によって変更された構成要件B1・G2及び構成要件C1・H2の構成をいずれも備えるドットパターンについての記載があるとはいえない。そうすると、当初明細書1又は2において、全ての記載を総合したとしても、当初明細書1又は2には、本件補正1及び2で補正後のドットパターンが記載されているとはいえず、本件補正は、当初明細書1又は2に開示されていない新たな技術的事項を導入するものである。したがって、本件補正1及び2は、当初明細書1又は2の記載等から導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入したものであるから、特許法7条の2第3項の補正要件に違反する」、「これに対し、原告は、図103〜図106の実施例と図5〜図8の実施例は、極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提案するという共通の課題を解決するための異なる実施例であり、これらを組み合わせることは当業者には自明の範囲のものであるから、構成要件B1・G2及び構成要件C1・H2の構成は、いずれも当初明細書1及び2に記載されていると主張する。しかしながら、図5〜図8の実施例で示される図5ドットパターンと図103〜図106の実施例で示される図105ドットパターンでは、・・・・情報の定義方法が相当に異なり、それを組み合わせることが当業者に自明とはいえないし、当初明細書1及び2にそのような組み合わせを前提とした記載も存在しない。原告の上記主張には理由がない」と述べている。

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