東京地裁(令和2年9月25日)“ベッド等におけるフレーム構造事件”は、「被告製品3及び5は、そのカタログ等において、本件発明1とは別の機能が強調されていて、相当数が本件発明1に係る特徴とは別の機能等の特徴に惹かれて購入されたことがうかがわれる。それに加えて、本件発明1は、被告製品3及び5のタイプを同じくするベッド本体(サイト注:レギュラータイプとショートタイプの2つのタイプがある)を購入しただけではベッドの利用者においては事実上その効果(サイト注:レギュラータイプをショートタイプに変更できること)を奏しないという特徴があるともいえるところ、・・・・交換用パーツ(サイト注:レギュラータイプをショートタイプに変更するためのパーツ)の販売数(売上げ上位50社に対するもの)やショートタイプの販売台数(サイト注:いずれも僅かであった、すなわち、ショートタイプに対する需要は極めて小さい)等からすると、ベッドの利用者において事実上本件発明1の効果を奏する形で使われたのは全体の販売台数のうちの極めて限られた台数と認められるのであり、このことからも、販売された被告製品3及び5の大部分は、本件発明1に係る特徴とは別の機能等の特徴に惹かれて購入されたものと認めることができる。このような被告製品3及び5が本件発明1の実施に係る部分以外に備えている特徴やその顧客誘引力等の事情を考慮すると、侵害者が得た利益と特許権者が受けた損害との相当因果関係を大きく阻害する事情があるといえ、特に交換用パーツ及びショートタイプの販売が少ない被告製品3については、侵害者が得た利益の9割5分について、被告製品5については侵害者が得た利益の9割について、その推定が覆滅するとするのが相当である」と述べている。 |