知財高裁(令和2年9月3日)“両面粘着テープ事件”は、「被告は、実施例に記載された『AD571』以外のポリプロピレン系樹脂を使用した場合や、実施例とは異なる条件で発泡体を製造した場合に、本件発明1の課題を解決できることが実施例によって裏付けられていないと主張する。しかし、ポリプロピレン系樹脂が、耐熱性や機械的強度(耐衝撃性)に優れた樹脂であることは、本件特許の出願時の技術常識であり・・・・、これによれば、当業者は、『AD571』以外のポリプロピレン系樹脂を使用した場合や実施例と異なる条件で発泡体を製造した場合についての実施例及び比較例がなくても、本件明細書の記載や本件特許の出願時の技術常識に照らし、本件発明1の両面粘着テープが、本件課題を解決できると認識できるというべきである」と述べている。 |