東京地裁(令和3年)“ウェブページ閲覧方法事件乙1文献には、現実世界のエンティティ(人、自動車、 家など)をインターネット上で識別するため、エージェントを介して、GPS位置情報等を使用するなどしてエンティティの地理的位置情報を収集し、これをデータベースに登録することにより、インターネット上の識別子であるIPアドレスとエンティティの地理的位置情報と対応付けるシステムが開示されているものと認められるが、同文献には『アクセスポイントに対応する地域』等をIPアドレスと対応付けることや『IPアドレスとアクセスポイントに対応する地域とが対応したIPアドレス対地域データベース』を作成することによりエンティティの位置を判別することについては、開示も示唆もされていない。そうすると、甲4の1発明に乙1発明を組み合わせたとしても、相違点に係る構成を備えることにはならないので、当業者が相違点に係る構成を容易に想到し得たとの被告の主張は理由がない」、「上記相違点に係る構成は、甲4の1発明に乙1発明を適用することにより当業者が容易に想到し得たものであるということはできないので、本件各発明が進歩性を欠くとの被告の主張は理由がない」と述べている。

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