知財高裁(令和3年)“ロータリ作業機事件4発明に、飛散土を一部遮蔽しないようにしてチェーンケース跡の溝に土を供給してチェーンケース跡の溝を埋め戻すという甲1、甲2、甲4、甲5に記載された技術事項を適用して、相違点d(開口部について、本件発明1は、耕耘された土砂を外側方に流し出し前記チェーンケース跡の溝に供給して前記チェーンケース跡の溝を埋め戻すためのものであるのに対し、甲4発明は、そのような特定がない点)に係る本件発明1の構成を容易に想到することができたかが問題となる。しかし、・・・・甲4の補助側板は、耕耘具により泥土が飛散するのを防ぐことによって隣接する既耕地の境界部分の均平性を高めるものであり、耕耘具により泥土が飛散するのを防ぐものであるのに対し、甲1、甲2、甲4、甲5に記載された技術事項は、一部といえども泥土の飛散を遮断せずに、かえって泥土の飛散によって溝に土を供給するというものであり、両者は、泥土の飛散を防ぐのかそれともそれを利用するのかという点で対極の技術思想に基づくものであり、したがって、甲4の補助側板に、甲1、甲2、甲4、甲5に記載された技術事項を適用することについては阻害事由があるものと認められる。そうすると、甲4発明に甲1、甲2、甲4、甲5に記載された技術事項を適用して相違点dに係る本件発明1の構成を容易に想到することはできなかったものと認められる」、「そうすると、本件発明1と甲4発明の相違点dに係る本件発明1の構成は容易想到であったとは認められず、本件発明1は甲4発明を主引用例として進歩性に欠けるとは認められない」と述べている。

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