東京地裁(令和3年12月24日)“鎮痛剤事件”は、「本件特許に係る発明は、てんかん、ハンチントン舞踏病等の中枢性神経系疾患に対する抗発作療法等に有用な薬物である本件化合物が、痛みの治療における鎮痛作用及び抗痛覚過敏作用を有し、反復使用により耐性を生じず、モルヒネと交叉耐性がないことに着目した医薬用途発明であるところ、・・・・本件出願当時、痛みには種々のものがあり、その原因や機序も様々であることが技術常識であった。そうすると、いかなる痛みに対して鎮痛効果を有するかは、本件発明3において本質的部分というべきであり、その鎮痛効果の対象を異にする被告医薬品は、本件発明3の本質的部分を備えているものと認めることはできない。したがって、本件発明3に係る特許請求の範囲に記載された構成中の被告医薬品と異なる部分が本件発明3の本質的部分でないということはできないから、被告医薬品は均等の第1要件を満たさない」と述べている。 |