東京地裁(令和3年3月10日)“真空洗浄装置事件”は、「被告は、・・・・乙8の15明細書等(サイト注:原出願の分割直前の明細書等)に係る発明の請求項1が洗浄室と凝縮室とが隣接する構成に限定していることなどを理由に、同明細書等に記載された技術的事項の範囲には、洗浄室と凝縮室とが離間する構成を含まないと主張する。しかし、乙8の15明細書等には、洗浄室と凝縮室の位置関係を一定の形態に限定する旨の記載は存在せず、当業者は、同明細書等に記載された作用効果を実現するため、洗浄室と凝縮室の位置関係を適宜設定することができるのであって、両室を隣接状態にすることが必須ということはできない。また、分割出願に係る発明は、原出願の分割直前の明細書等に係る特許請求の範囲に記載された発明である必要はなく、当該明細書等に記載されている発明で足りるので、上記請求項1において洗浄室と凝縮室とが隣接する形態に特定されていても、それにより本件特許権2の出願が分割要件に違反するものではない」と述べている。 |