大阪地裁(令和3年3月25日)“学習用具事件”は、「学習用具の記録媒体に複数の記憶対象のデータが記録されている場合に、学習方法として、1の記憶対象ごとに選択することなく、複数の記憶対象をまとめて選択するようにすることは、技術常識であり、原告製品の製造等の時点においても、当業者が容易に想到し得たといえる。例えば、乙6文献には、・・・・10個の英単語を含む1セクションの全ての完全文字を表示することを全てのセクションについて終了することによって、学習カリキュラムを終了したものとすることが示されている。その過程での画面の切替えは、適宜の入力装置の操作によって行うようにしてもよく、この場合、学習を行う者のペースに合わせてカリキュラムを実行することができるとされている。ここで、その一環として、学習を行う者のペースに合わせてカリキュラムを実行する観点から、あらかじめ決められた順にセクションを移ることに代えて、学習を行う者がそれぞれ異なる10個の英単語を含む所望のセクションを選択できるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことといえる。以上より、原告製品の製造等の時点において、本件発明の『一の組画の画像データを選択する画像選択手段』(構成要件B2)を、原告製品を使用したコンピューターにおける選択手段に置き換えること、すなわち、本件発明のように1つの記憶対象を選択するか、乙6文献に示唆されるような技術常識に基づき複数の記憶対象から成る1セットを選択するかは、当業者が容易に想到することができたものである。したがって、原告製品を使用したコンピューターは、均等の第3要件を充足する」と述べている。 |