知財高裁(令和3年3月4日)“ドットパターン事件”は、「本件補正1@部分は図105ドットパターンに基づくものであり、同A部分は図5ドットパターンに対応するものとなるから、本件補正1はこれら両パターンを組み合わせたものとなる」、「当初明細書1には、図105ドットパターンと図5ドットパターンの両構成を組み合わせたドットパターンについての記載はないし、当初明細書1の全ての記載を総合したとしても、このような記載がされているに等しいともいえず、また、このような組合わせが当業者に自明であるともいえない」、「これに対し、控訴人は、@図105ドットパターンと図5ドットパターンは、極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提案するという共通の課題を解決するための異なる実施例であり、これらを組み合わせることは当業者には自明の範囲のものである、・・・・C図105ドットパターンと図5ドットパターンとに共通の『601』の符号が用いられているから図105ドットパターンを図5ドットパターンに適用することは自明である・・・・旨主張する。しかしながら、同一明細書に記載された共通の課題を解決するために示された実施例であっても、それらを組み合わせることができない場合もあり、また、仮に、組み合わせることができたとしても当該課題が解決できるとは限らない。そうすると、それら実施例を組み合わせることが自明であるとはいえず、上記@の主張は採用できない」、「本件のような事案において、別個の図に共通の符号が用いられている部分があるからといって、両図を組み合わせて適用することが自明であるなどということはできないから、上記Cの主張は、採用できない」、「本件補正1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものとはいえず、特許法17条の2第3項の補正要件に違反し、本件発明1に係る本件特許1は特許無効審判において無効とされるべきものである」と述べている。 |