大阪地裁(令和3年5月13日)“被包型側溝事件”は、「ホ号物件は135度の曲がりのあるコーナー用であり、開口部はコーナーを挟んだ一方にしか存在しないことが認められる。本件発明の構成要件B1は、開口部が水平支持部材の上面の略中央にあることを内容とするものであるが、略中央について特に限定がない以上、側溝本体全体の略中央を意味すると解さざるを得ないから、ホ号物件の開口部は、水平支持部材の上面の略中央にあるとはいえない。原告は、この要件は本質ではなく、この部分が相違したとしても本件特許の権利範囲を外れるものではない旨を主張するが、特許発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定めるべきものであるから(特許法70条1項)、採用できない。したがって、ホ号物件は、本件発明の構成要件B1の『略中央』を充足しない」と述べている。 |