知財高裁(令和3年)“読取装置事件被告は、上方から物を入れる会計処理装置において、物の出し入れを容易にするために上方を開口するのが望ましいのは当然の技術事項であると主張する。しかし、被告が主張することが当然の技術事項であるとしても、甲1には『アクセス開口部』が『前向き』に開口している会計端末100において、RFIDタグを読み取る対象物を出し入れする際に何らかの不都合が生じることについては、記載も示唆もされていない上、・・・・甲1〜3には、甲1発明の『前向きに開口された状態』を『上向きに開口された状態』とすることが動機付けられる記載等があるとは認められないから、この点を当業者が容易に想到することができたということはできない」と述べている。

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