東京地裁（令和３年５月２０日）“空調服事件”は、「本件発明１の技術的意義や作用効果、被告各製品のうち本件発明１が実施された部分の顧客誘引力等に照らすと、本件特許権を侵害する同部分が被告各製品の販売に貢献したところは小さいといわざるを得ないから、この事情に基づき、法１０２条２項により推定される損害額の８０％について推定の覆滅を認めるのが相当である」、「証拠・・・・及び弁論の全趣旨によれば、原告及び被告以外の業者も、首後部からの空気の排出をより効率的に行うための機能を備えた空調服や、その他種々の機能を備えた空調服を販売していることが認められる。そうすると、・・・・被告が被告各製品を販売することがなかったとしてもその購入者の全てが原告製品を購入したとはいえないから、この事情に基づき、法１０２条２項により推定される損害額の５０％について推定の覆滅を認めるのが相当である」、「本件各発明の被告各製品の売上げに対する貢献の程度により８０％・・・・、電動ファン付きウエアの市場に競合品が存在することにより５０％・・・・の推定の覆滅を認めるべきであるから、被告による本件特許権の侵害により、原告が被った逸失利益に係る損害額は、５６５万２１４７円（５６５２万１４６５円×（１−０.８）×（１−０.５））と認められる」と述べている。