知財高裁(令和3年6月28日)“真空洗浄装置事件”は、「当業者は、本件特許明細書の発明の詳細な説明によって、本件特許発明1の真空洗浄装置が、ワークの乾燥に要する時間を短縮して全体の処理能力を向上するとの課題を解決するものであることを理解し、その装置で行われる処理の工程や効果を具体的に把握することができるから、凝縮室の熱容量、溶剤の種類、凝縮室内の温度や圧力等の種々の条件を最適化し、ワークの乾燥時間が所望のものとなるように、本件特許発明1を実施することができるものと認められ、その実施には過度の試行錯誤は要しないものと推認される。そうすると、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、当業者が本件特許発明1を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されているということができ、本件特許発明1は実施可能要件を充足するものと認められる」と述べている。 |