知財高裁(令和3年月8)“噴出ノズル管の製造方法事件審決における判断の遺脱とは審決の結論における判断に影響を与える事項について当事者が主張した攻撃防御方法についての判断を審決の理由中に明記していない場合をいうものと解される」、「@被告がした、本件特許が原告X1による冒認出願によって登録されたことを理由とする無効審判請求について、特許庁が審判不成立の審決(一次審決)をしたのに対し、知的財産高等裁判所は、本件特許のうち請求項1及び3に係る部分を取り消す旨の判決(一次判決)を言い渡し、同判決は後に確定したこと、A確定審決である二次審決は、行訴法3条1項により確定判決である一次判決の拘束力があり、被請求人(原告X1)が一次判決の認定判断の誤りであると主張し、これを裏付けるために新たな証拠を提出するが、上記拘束力により採用することができず、・・・・『特許第4958194号の請求項1及び3に係る発明についての特許を無効とする。特許第4958194号の請求項2に係る発明についての審判請求は、成り立たない』旨の審決をしたことが認められる。そうすると、本件無効審判請求は、本件各発明の発明者が誰であり、本件特許の出願が冒認出願であるかが争点であるところ、こうした争点に関して、確定審決である二次審決は、一次判決の拘束力があることを前提として上記のとおり判断しているのであるから、当事者が主張した攻撃防御方法についての判断に遺脱はない」と述べている。

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