知財高裁(令和3年7月8日)“電動ベッド事件”は、「『ブザーを鳴らして警報し』の部分・・・・は、フレームの高さが中間停止位置LMまで下降する動作に別の動作を単純に縦列付加するものであるから、特許法134条の2第1項ただし書1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上、特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、同法134条の2第9項で準用する同法126条6項に適合する。また、本件明細書には、『そして、フレーム高さLが中間停止位置LM(床高さで290mm)まで低下した場合に(ステップS4)、フレーム1の下降を一旦停止する(ステップS5)。そして、ブザーを鳴らして警報する(ステップS6)』・・・・との記載があるから、明細書に記載された事項の範囲内でするものであって、同法134条の2第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する」、「原告は、周知技術でない技術的事項を付加することは、特段の事情がない限り、特許請求の範囲を実質的に変更する訂正に当たる旨主張するが、前記・・・・のとおり、上記訂正部分は、単純に動作を付加するのみであって、その動作がないものを特許請求の範囲から除くという純然たる特許請求の範囲の減縮にすぎず、特許請求の範囲が実質的に変更される余地があるものとはいえないから、採用することができない」と述べている。 |