東京地裁(令和4年)“携帯情報通信装置事件「@本件発明の技術分野においては、ライセンス料率を0.5%ないし9.5%程度とする例はあるが、スマートフォンのように多数の特許が関連する分野では、クロスライセンスによる場合に限らず、特許1件当たりで計算した実施料率が、0.1%を下回ることも通常であること、A本件発明で実現される高解像度画像を外部出力する機能は、携帯電話において早くから望まれていたものではあるが、被告製品のようなスマートフォンにおいては、当然に必須の機能であるとはいえず、その顧客に対する顧客吸引力は明らかとはいえないこと、B原告は、その保有する発明を他社に許諾し、その実施料収入を得るという営業方針をとっているものの、本件発明を実施するため、原告とライセンス契約を締結した者はいないこと、以上の事情を認めることができる。これらの事情を考慮すると、被告補助参加人(サイト注:被告製品の製造元の売上高に乗じる相当実施料率は、侵害があったことを前提に通常の実施料率よりも自ずと高くなることをも十分考慮しても、0.1%の限度で認めるのが相当であると述べている。

特許法の世界|判例集