大阪地裁(令和4年月9)“自立式手動昇降スクリーン事件本件において、本件各訂正後発明の実施許諾契約の存在を認めるに足りず、証拠・・・・及び弁論の全趣旨によれば、平成2年8月1日に発行された『ロイヤルティ料率データハンドブック〜特許権・商標権・プログラム著作権・技術ノウハウ〜』において、光学機器及び家具、ゲームの技術分野における正味販売高に対する実施料率は、光学機器については、平均が3.5%、最大値が9.5%、最小値が0.5%、標準偏差が1.9%であり、家具及びゲームについては、平均が2.5%、最大値が4.5%、最小値が0.5%、標準偏差が1.5%であることが認められる。これらに、原告と被告は競業関係にあること、・・・・本件各訂正後発明の貢献の程度その他本件に現れた諸事情を総合的に考慮すると、本件における実施に対して受けるべき料率としては6%が相当であると認める。原告は、他社との和解内容等を考慮して、被告製品1台あたり1万円(実施料率3.6%)が妥当である旨を主張する。しかし、種々の事情を総合的に考慮して和解に至ることが通常であり、和解内容を実施許諾契約と同様に考えるのは相当でないことに加え、証拠・・・・及び弁論の全趣旨によれば、原告は、和解契約等において、相手方が、原告に対し、原告が実施料相当額であると主張している金員を支払う他に金員を支払う条項は存在しないことが認められ、特許法102条3項及び同条2項の適用により損害の額を算定する本件とは条件を異にするというべきである」と述べている。

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