最高裁(昭和9年行政事件訴訟特例法(サイト注:行政事件訴訟法の前身)1条にいう行政庁の処分とは、・・・・行政庁の法令に基づく行為のすべてを意味するものではなく、公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいうものである」、「かかる行政庁の行為は、公共の福祉の維持、増進のために、法の内容を実現することを目的とし、正当の権限ある行政庁により、法に準拠してなされるもので、社会公共の福祉に極めて関係の深い事柄であるから、法律は、行政庁の右のような行為の特殊性に鑑み、一方このような行政目的を可及的速かに達成せしめる必要性と、他方これによって権利、利益を侵害された者の法律上の救済を図ることの必要性とを勘案して、行政庁の右のような行為は仮りに違法なものであっても、それが正当な権限を有する機関により取り消されるまでは、一応適法性の推定を受け有効として取り扱われるものであることを認め、これによって権利、利益を侵害された者の救済については、通常の民事訴訟の方法によることなく、特別の規定によるべきこととしたのである。従ってまた、行政庁の行為によって権利、利益を侵害された者が、右行為を当然無効と主張し、行政事件訴訟特例法によって救済を求め得るには、当該行為が前叙のごとき性質を有し、その無効が正当な権限のある機関により確認されるまでは事実上有効なものとして取り扱われている場合でなければならない」と述べている。

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