仙台高裁秋田支部(昭和48年12月19日)“蹄鉄事件”は、「訴外AとYとの関係は、請負契約的要素の強い制作物供給契約と認めるのが相当であり、Yは製造のための機械設備等を所有し、自己の負担において材料を調達していたとはいえ、製品の代金は実質的には売買代金とみるべきではなく、材料費・設備償却費の要素と工賃の要素とを含むものと認められ、また、原料の購入、製品の販売、品質等については同訴外人が綿密な指揮監督を行なっておりしかも製品は全て同訴外人の指示により専ら同人の経営する前記B商会に納入され、他に売り渡されたことは全くないこと等の諸事情に徴すれば、Yは登録実用新案権の共有者の1人である訴外Aの一機関として本件蹄鉄を製造していたものであって、同訴外人が自己の計算において、その支配管理の下に本件登録実用新案権の実施をしたものと解すべきでありYが右実用新案権を独立の事業として実施したものとは認められない」と述べている。 |