東京高裁(昭和56年10月28日)“人命安全防災システム事件”は、「原告はそれまで数多くの発明、考案を手がけ、特許、実用新案の登録出願をしており、出願前にこれら発明や考案の内容が外部に知られることによって被る出願人の不利益については充分承知していたことは推認することに難くない」、「原告が社員に対し、審査(サイト注:日本建築センターの審査機関による審査)申込の事務を依頼するにあたり、提出資料の公表などが軽々しく行われてはならない旨格別の注意を喚起しなかった点は軽率のそしりを免れないとしても、このようなことから直ちに、本願発明の内容が引用例に掲載公表されたことが、原告の意思に反してされたものではないとはいえないのである」と述べている。 |