東京地裁(昭和56年2月25日)“一眼レフレックスカメラ事件”は、「被告製品の機構の一部であるプリセット絞レバー又は連結レバー若しくは連結桿が使用されることなく遊んでしまいその機能を果たさないというだけのことであって、被告製品は、それぞれ、交換レンズ、アダプター、コンバージョンレンズとしての役目は十分に果たし、全体として外光測光方式のカメラ、測光機能を有しないカメラ、TTL絞込測光方式のカメラ又は特別の方式のカメラとして使用することができるのであり、・・・・被告製品の装着されるカメラが現に市販され、最終需要者によってそのカメラ本体に被告製品が装着されて使用されている事実が存することが認められ、・・・・そもそも被告製品の如き交換レンズ、アダプター、コンバージョンレンズの類は、各種のカメラ(本体)に装着して使用できることが特徴とされ、できるだけ多くの種類のカメラ(本体)に装着して使用できることを1つのセールスポイントとして販売されていることが認められること・・・・を併せ考えると、被告製品が本件ミノルタカメラ又は本件キヤノンカメラと機構の異なるカメラを構成するべくそのカメラに本件装着して使用される用途は、社会通念上経済的、商業的ないしは実用的なものであると優に認めることができる。したがって、被告製品は、本件ミノルタカメラ又は本件キヤノンカメラすなわち本件発明に係るカメラ以外の、社会通念上経済的、商業的ないしは実用的であると認められる用途を有しないとはいえないことが明らかであるから、・・・・被告製品は本件発明に係るカメラの生産に『のみ』使用する物ということはできず、被告製品の製造販売については特許法第101条第1号の規定の適用はないといわなければならない」と述べている。 |