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(1)趣旨

(1.査定

 特許異議の申立てや審判の請求が行政庁に対する不服申立てに相当するからである。

 補足特許査定を受けた特許出願人や延長登録査定を受けた特許権者が査定に不服がある場合は、行政庁に対する不服申立てはできない»判例)ので、処分取消訴訟»行政事件訴訟法3条2項)を直接に提起すればよい

(1.取消決定若しくは審決及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書若しくは第120条の5第2項若しくは第134条の2第1項の訂正の請求書の却下の決定

 行政庁に対する不服申立てに相当する手続に対する結論だからである。

 補足1訂正審判の請求や訂正の請求は、行政庁に対する不服申立てに相当する手続ではないが、他の審判と歩調を合わせるために、同様に審決や却下の決定について審査請求をできないこととしている

 補足2これらの処分に不服があれば、審決等取消訴訟»178条)を提起すればよい。

(2)解釈

(2.この法律の規定により不服を申し立てることができないこととされている処分

 次の処分である。
 @補正の却下
»3条3項本文)
 A除斥や忌避の申立てに対する決定(
»143条3項)
 B参加の申請に対する決定(
»149条5項)
 C対価の部分についての裁定(
»1条の2

(2.「これらの不作為

 特許出願、特許異議の申立て、審判や再審の請求、訂正の請求に対して相当の期間が経過しても何らの処分もされないことである。

 補足これらの不作為に不服があれば、不作為の違法確認訴訟»行政事件訴訟法3条5項)を直接に提起すればよい。

(2.「行政不服審査法の規定による審査請求

 行政庁による処分や不作為について不服がある場合に行政庁に対してする不服申立てである»行政不服審査法2条、同3条

 補足訴訟よりも簡易かつ迅速であるという利点がある。なお、以前は本条によって禁止されているもの以外の処分については行政不服審査法による不服申立てを経なければ(前置しなければ)処分取消訴訟を提起できなかった»184条の2)が、平成6年の法改正によって前置義務は廃止され、直接に処分取消訴訟を提起できることとなった。