■■ 解説(1項) ■■(»全体表示)
(1)解釈
(1.1)「審判」
同種の審判である(例えば、特許無効審判と訂正審判の審理は併合できない)。
【補足】当事者系審判であるか査定系審判であるかは問わない。
(1.2)「審理の併合」
同一の合議体が一括して審理や証拠調べをして一括して審決をすることである。
【補足】審決書も共用されるが、事件として1つになるわけではないので、各事件ごとの結論と理由が記載されていなければならない(»判例1、判例2、判例3)。
(2)その他
(2.1)併合の裁量権の行使
併合の裁量権は、法定の要件(当事者の双方や一方が同一であること、同種の審判であること)を満たすとともに、次のような併合の趣旨に合致する場合(特許無効審判において訂正の請求がある場合は、すべての事件において同様の訂正の請求がされる場合に限る)に、合議体の判断によって行使される(»特許庁「審判便覧」30−03、同51−09)。 @対象の特許権が同一である場合 A対象の発明の技術的な基礎が共通している場合 B物的証拠が同一である場合 C人的証拠について同様の証拠調べをする場合
【補足】審理を併合する場合は、その旨が当事者に通知される(»特許庁「審判便覧」30−03)。