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(1)解釈

(1.過失があったものと推定する

 侵害を予見して回避するための適切な判断や行動(注意義務)を怠ったものと推定することである。

 補足1過失の推定を覆滅するためには、次のような事実を反証することが必要である»判例1判例2判例3判例4判例5)が、特許公報の発行前であったこと»判例1判例2判例3判例4)や、特許庁の判断(判定や審決)や裁判所の判断(未確定の判決)を信じたこと»判例によっても覆滅できないことからすると、きわめて困難である。なお、覆滅まではできなくても、過失の大きさを争うことは可能である。
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特許権や専用実施権の存在を知らなかった相当の理由があること
 A特許発明の技術的範囲に属さないと信じた相当の理由があること
 B特許権や専用実施権を行使できない事由(特許発明を実施する正当な権原や特許の無効理由)があると信じた相当の理由があること

 補足2過失の大きさについては、実施料相当額を超える分の損害額を算定する際に参酌することができる»102条4項後段